オクタビアのスピードと精度は、最も手強い相手を除き、あらゆる敵を圧倒する。アンプから排出される波打つ音波は、そのとてつもない力で敵またはコアを吹き飛ばす。しかし、彼女自身のもろさにより、敵チームの攻撃ターゲットになってしまうことが多い一彼女を捉えることができれば、の話だが。

オクタビアは双子の姉、 バイスが生まれる数分前に誕生したが、 常に彼女の方が 「姉」 だと思われていた。 オクタビアは早熟で、 家では両親、 学校では教師たちなど、大人の好みをすぐに把握していた。姉が自身とは対極にある一方で、オクタビアは姉バイスとは切っても切れない関係だった。 パイスがトラブルに巻き込まれると、彼女がその尻ぬぐいをすることもしばしばだった。二人はいつか一緒に音楽を作り、ロックスターになって世界中を巡る日を夢見ていた。 また、二人は素晴らしいコアストライクチームを作り、お互いがお互いの弱点をカバーしていた。

この姉妹には天性の音楽の才能があった。 娘たちの才能に気付いたオクタビアの両親は、10代前半で彼女とバイスを音楽院に入学させた。 学院でオクタビアは新しいスタイルの音楽に開眼し、学ぶことがたくさんあることを痛感した。オクタビアは優等生である一方で、自身が作った楽曲に一度も満足していないこと、自分が求めているのはとらえどころのない、独自の音楽の完成であることに気付いた。このことが原因で彼女はバイスと距離を置くようになる。自分の音楽的嗜好はエレクトリックで精確なジャンルに向いており、それは姉がこよなく愛するロックとは対照的なものだった。バイスは教師の指導を無視し、自分のやり方を貫くことでトラブルに巻き込まれたが、オクタビアは困惑するも、姉の尻ぬぐいはしなくなった。

学院を卒業した二人はそれぞれ別々の道を進む。オクタビアは、アーテンで人気が爆発した急成長のジャンルで一躍スターとなった。こうして成功を収めても、オクタビアは音楽の完成度を追及する自分の旅は始まったばかりだと感じていた。 自分が作るどの曲にも満足していない。オクタビアは何時間もスタジオで過ごし、自分が満足できる曲の作成に没頭した。

音楽院を卒業してから数年後、 オクタビアはアーテン最大の音楽フェスティバルでメインアーティストとしての出演が決まった。そこには姉のバイスがサイドステージのトップバッターとして演奏することになっていた。 オクタビアは姉のセットを見つめると、舞台裏で彼女に近づき、 ねぎらった。バイスはそんなオクタビアの言葉をお世辞だと拒絶し、「私を捨てたくせに、私たちの夢を壊したくせに」と言い放った。 二人は口論し、感情が爆発したバイスはその場を立ち去った。

オクタビアはようやく、自分のせいで姉が負った心の傷を感じ取り、 償うために手を 差し伸べた。 ズタズタになった二人の関係を修復するため、 子供の頃の情熱に立ち戻り、一緒にコアストライクをプレイしようと提案したのだ。 バイスは最初はこの申し出を断ったが、 オクタビアからの度重なる催促に、最後は渋々同意した。 そして二人は今、共にプロリーグに足を踏み入れる。しかし、オクタビアは自身が求める音楽の完成を忘れて、バイスとの関係を再構築することができるのだろうか?